【課題】赴任前に現地で業務を遂行できる英語力を習得したい

海外赴任前に少しでも語学力をアップし、いち早く現地へ溶け込めるよう準備をしておきたい。
海外出張に伴い、現地でのコミュニケーションが図れるくらいの英語力を習得しておきたい。
海外の駐在員として、業務を遂行できる英語力を身に付けておきたい。
赴任前の短期間で実践的な語学力を養っておきたい。

リンゲージが解決!

海外赴任前研修は、大きく3つの領域に分かれる

海外赴任者向けの研修を検討しはじめると、研修会社によって提供している内容がかなり違うことに気づくと思います。整理すると、赴任前研修は次の3領域に分けられます。

異文化理解・適応

赴任先の文化的な前提を学ぶ領域です。ホフステードの文化次元モデルのようなフレームワークを使い、権力格差や不確実性の受け止め方、時間感覚といった価値観のギャップを事前に把握します。「なぜ現地スタッフが自分の指示どおりに動かないのか」を、個人の資質ではなく文化的な背景から理解するための土台になります。

現地マネジメント

赴任者の多くは現地で管理職として着任します。ローカルスタッフの動機づけ、評価、現地の労働関連法規への対応など、日本国内とは前提の異なるマネジメントスキルが求められます。国別の労働法規や商習慣を扱うプログラムもこの領域です。

語学力

赴任先で使う言語の運用能力です。英語圏であれば英語、非英語圏であれば英語と現地語の両方が対象になります。

この3つは並列に見えますが、実際には対等ではありません。異文化理解も現地マネジメントも、言葉が通じて初めて機能するからです。次の章で詳しく説明します。

なお、私たちは異文化理解を扱わないわけではありません。むしろ語学研修と切り離さずに、一体で扱うべきだと考えています。「現地では結論から話す」という知識を、実際に自分の口で実行するところまで持っていくには、両方が同じ場にある必要があるためです。

なぜ語学が土台になるのか

異文化理解の研修を受けて「現地では結論から話すべきだ」と学んだとします。しかし、その結論を自分の言葉で伝えられなければ、学んだこと自体が使えません。マネジメントも同じです。評価面談で部下の話を通訳越しに聞くマネージャーが、信頼を得られるでしょうか。

赴任前研修の議論では語学が3番目に置かれがちですが、私たちは順序が逆だと考えています。語学は他の2領域を成立させるためのインフラです。

通訳では埋められない領域がある

商談や会議のような「場が設定されたコミュニケーション」であれば、通訳は有効に機能します。問題はそれ以外の時間です。

  • 廊下やランチでの雑談 — 現地スタッフとの信頼はここで作られますが、通訳は同席しません
  • 緊急時の初動 — 事故、トラブル、クレーム。通訳の到着を待てない場面があります
  • 感情のニュアンス — 「わかりました」が納得なのか不満なのかは、訳された言葉からは読み取れません
  • 本音の情報 — 通訳がいる場では、現地スタッフは本音を言いません

赴任者が現地で孤立するケースの多くは、業務能力ではなく、この「通訳が介在しない時間」での関係構築につまずいています。

AI翻訳が普及した今こそ、人間の言語力が問われる

翻訳・通訳ツールの精度は年々上がっています。だからこそ「語学研修はもう不要ではないか」という声も出ます。

しかし、AIが得意なのは言語の変換です。ビジネスの現場で成果を分けるのは、タフな交渉、臨機応変な議論、相手の反応を見ながらの説得といった、変換では代替できない領域です。定型的なやりとりがAIに任せられるようになったぶん、赴任者に残る仕事はむしろ「AIに任せられない対話」に寄っていきます。

語学研修の目的も、ここに合わせて設計し直す必要があります。「英語を話せるようにする」ではなく、「英語で成果を出せる状態にする」ことがゴールです。

英語だけでいいのか、現地語は必要か

非英語圏への赴任で必ず出るのがこの論点です。結論から言えば、英語で業務は回るが、英語だけでは足りない場面があるというのが実際のところです。

業務は英語、関係構築は現地語

多くの現地法人では、マネジメント層とのやりとりは英語で成立します。問題は現場です。工場のオペレーターや店舗スタッフまで英語が通じる国は多くありません。現場の一次情報が入ってこない赴任者は、報告される内容だけで判断することになります。

「流暢に話す」必要はない

現地語について誤解されやすいのは、業務レベルの運用能力が必要だと思われがちなことです。実際にはそこまで求められません。挨拶、簡単な指示、相手の名前を正しく発音すること。この程度でも、現地スタッフの受け止め方は明確に変わります。

学ぼうとしている姿勢そのものが、関係構築の材料になるという側面があります。

対応言語

リンゲージでは英語のほか、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語などの研修に対応しています。赴任先に合わせて、英語と現地語を組み合わせた設計が可能です。

詳しくは多言語研修をご覧ください。

見落とされやすい「生活の英語」

赴任前研修の設計で、業務の英語ばかりに寄ってしまうことがあります。しかし赴任者が現地に着いて最初に直面するのは、業務ではなく生活です。

  • 住居を探し、契約する
  • 銀行口座を開く
  • 病院で症状を説明する
  • 子どもの学校の手続きをする
  • 役所で滞在に必要な登録をする

いずれも、失敗すると生活が立ち行かなくなる場面です。しかも赴任直後、まだ現地に頼れる人がいない時期に集中します。

業務英語は現地に行ってからでも、周囲の助けを借りながら伸ばせます。しかし生活の立ち上げは待ってくれません。赴任前研修では、この「着任してから最初の1か月」で必要になる場面を優先的にカバーしておくべきです。

TOEICのスコアが高い赴任者でも、この領域でつまずくことは珍しくありません。読解力と、初対面の相手に自分の困りごとを説明する力は別のものだからです。

赴任前語学研修は、いつ・どれくらいやるか

いつ始めるか

内示から赴任までの期間は企業によって差がありますが、語学研修の観点では内示が出た時点ですぐに始めるのが理想です。

理由は単純で、語学力は短期間では動かないからです。特に、現在のレベルが低い赴任者ほど立ち上がりに時間がかかります。赴任1か月前から始めても、できることは限られます。

現実には、赴任者本人が引き継ぎと現地の準備に追われる時期と重なります。そのため「時間が取れる時期に、取れるだけやる」のではなく、内示直後に研修計画を確定させ、業務スケジュールに組み込んでしまうのが実務上のコツです。人事側が主導しないと、まず後回しになります。

期間と時間数の目安

準備期間ごとに、現実的に到達できる水準の目安です。

準備期間想定できること
3か月現地で必要な定型表現の習得、リスニングの慣らし
6か月業務上の基本的なやりとりが成立するレベル
1年以上交渉・会議での主体的な発言

重要なのは、赴任者の現在のレベルと、赴任先で求められるレベルの差から逆算することです。同じ「6か月」でも、TOEIC 600点の人と400点の人では設計がまったく違います。

形態は「赴任前は講師派遣、赴任後はオンライン」が基本

リンゲージの赴任者向け研修は、赴任前は講師派遣を基本としています。

準備期間が限られるなかで短期間に引き上げる必要があるため、講師が対面で関与し、発話量を確保する設計のほうが立ち上がりが速いからです。集合形式でも1対1でも実施でき、対象人数は予算に合わせて調整します。

そして赴任後はオンラインに切り替えて継続します。赴任先からでも時差に合わせて受講でき、赴任前に作った土台をそのまま伸ばせます。

この「赴任前は対面で集中的に、赴任後はオンラインで継続」という組み立てが、実務上もっとも成果につながりやすい形です。赴任前だけで終わらせると、現地に行ってから伸びが止まります。

なお、対象が1名だけ、あるいは本人のスケジュールが読めず集合形式が組めない場合は、赴任前からオンラインのマンツーマンで実施することもできます。

出張者と赴任者で設計は変わる

短期出張者と駐在員では、必要な語学力の性質が違います。

  • 出張者 — 会議・商談という限定された場面。準備できる表現の範囲が狭く、集中的な対策が効きます
  • 赴任者 — 生活も含めた全方位。想定外の場面が多く、対応力そのものを上げる必要があります

出張者向けの設計をそのまま赴任者に適用すると、現地に行ってから足りなくなります。

費用と予算の組み方

一律の料金表はありません

赴任者向けの語学研修は、予算に合わせて総時間数と受講人数を設計する完全カスタムです。そのため「1人あたりいくら」という定価はありません。

費用を左右するのは次の4点です。

  • 総時間数 — もっとも大きな変数
  • 受講人数 — 1対1か、複数名を同時に実施するか
  • 実施形態 — 赴任前の講師派遣か、赴任後のオンラインか
  • 言語 — 英語が中心。それ以外の言語も対応可能

裏を返せば、予算が先に決まっていても設計できます。実務では「この金額で、どこまでできるか」という相談の仕方がもっとも早く話が進みます。研修内容を決めてから予算を探すより、順序を逆にしたほうが現実的です。

見積もりを比較するときの注意

複数社から見積もりを取る場合、総額ではなく「1人あたり・1時間あたり」に揃えて比較してください。研修時間数の異なる提案を総額で並べると、判断を誤ります。

あわせて、次の項目が見積もりに含まれているかを確認してください。会社によって扱いが分かれる部分です。

  • 事前のレベル測定
  • 教材費
  • 講師の交通費(講師派遣の場合)
  • 進捗レポート・成果測定
  • 赴任後の継続分

予算が限られる場合の優先順位

  1. 対象者を絞る — 全員に薄く配るより、赴任が確定した人に集中させる
  2. 開始時期を早める — 同じ時間数でも、早く始めるほど定着します。追加コストはかかりません
  3. レッスン外の学習設計を整える — レッスン時間を増やすより、自習の仕組みを作るほうが費用対効果の高い場面があります

もっとも避けたいのは、予算に合わせて時間数を削り、成果が出ないまま終わることです。それは費用を抑えたのではなく、投じた費用を無駄にしたことになります。

語学力が伸びる受講者、伸びない受講者

同じ研修を、同じ時間だけ受けても、伸び方には大きな差が出ます。その差は受講者の資質というより、いくつかの決まった要因に分かれます。

伸びる受講者に共通すること

  • 赴任後の場面を具体的に想像できている — 「誰と、何を、どう話すか」がイメージできている人は、学ぶ内容の取捨選択ができます
  • 間違えることを気にしない — レッスン中の発話量が明確に多くなります
  • レッスン外の時間に触れている — 週2回のレッスンだけで伸びる人は、まずいません
  • 目的が自分ごとになっている — 「会社に言われたから」で始めた人と、「現地で成果を出したいから」で始めた人では、3か月後に差が出ます

伸びない受講者のパターン

  • 業務多忙を理由に欠席が続く(最大の要因です
  • レッスンを「受ければ身につくもの」と捉えている
  • 現在のレベルより高すぎる目標を設定し、早い段階で諦める

人事側でできること

伸びるかどうかは本人の資質ではなく、環境設計でかなりの部分が決まります

  • 業務スケジュールに研修を組み込む — 「時間があるときに」では必ず後回しになります
  • 開始前に本人と目的をすり合わせる — 15分でも構いません。ここを飛ばすと動機が乗りません
  • 上長を巻き込む — 上長が研修を軽視していると、本人は欠席を選びます
  • 進捗を可視化する — 見られている状態を作るだけで、受講率は変わります

赴任者の選抜段階で語学力を基準に入れる企業もありますが、現時点のスコアより「学ぶ姿勢があるか」のほうが、赴任後の成果を左右します

研修の成果をどう測るか

赴任前研修でもっとも軽視されがちで、しかし経営に説明するうえで避けられないのが、成果の測定です。

スコアだけでは足りない

TOEICなどのスコアは、測りやすく比較もしやすい指標です。ただし、スコアが伸びたことと、現地で成果が出ることはイコールではありません。読解中心のスコアが上がっても、会議で発言できるようになるとは限らないためです。

2つの軸で測る

私たちは、次の2軸をセットで見ることを提案しています。

① 語学力の測定 TOEIC、あるいはスピーキングを含むアセスメント。研修の開始前と終了後の2回測り、変化量で見ます。終了後だけ測っても、研修の効果なのか元々の力なのか判別できません。

② 業務上の行動変容 現地で実際に何ができるようになったかを見ます。たとえば以下のような項目です。

  • 通訳なしで現地スタッフと1対1の面談ができたか
  • 会議で自分から発言する回数が増えたか
  • 現地からのメールに自力で返信しているか

行動変容は本人と上長への簡単なアンケートで測れます。項目を5つ程度に絞り、赴任前・赴任3か月後・6か月後の3回取ると、変化が追えます。

測定は研修設計の段階で決めておく

よくある失敗は、研修が終わってから「効果はどうだったのか」と聞かれ、答えられないことです。何を、いつ、どう測るかは、研修が始まる前に決めておく必要があります。開始前の測定値がなければ、変化は永久に測れません。

ここを設計に組み込んでおくと、研修を「費用」ではなく「投資」として説明できるようになります。次年度の予算確保にも直結します。

赴任後・帰任後のフォロー

赴任前研修は、あくまで立ち上がりを早めるためのものです。語学力が本当に伸びるのは、現地に行ってからです。

赴任後に起きること

現地に着いてから、多くの赴任者が同じ壁にぶつかります。

  • 研修で学んだ表現が、現地の実際のスピードとアクセントに追いつかない
  • 業務の専門用語が想定より多く、事前学習の範囲を超える
  • 忙しさで学習が完全に止まる

赴任前研修だけで終わらせると、この時期に伸びが止まります。赴任後研修を組み合わせるかどうかで、1年後の到達点は大きく変わります。

語学の問題は、孤立と早期帰任につながる

人事の立場でより深刻なのは、語学力そのものよりその先で起きることです。

言葉が通じない状態が続くと、赴任者は現地スタッフとの関係を築けず、日本人同士だけで固まるようになります。相談できる相手がいないまま業務のストレスが積み上がり、メンタル面の不調や早期帰任につながるケースがあります。

赴任者1名を送り出すコストを考えれば、早期帰任は語学研修の費用とは桁の違う損失です。赴任後のフォローは、福利厚生ではなくリスク管理として設計してください。

現地での継続学習

オンラインであれば、赴任先からでも同じ品質のレッスンを継続できます。時差に対応した時間設定も可能です。

赴任後の学習で重要なのは、内容を実際の業務に合わせて変えることです。赴任前は汎用的な内容で構いませんが、赴任後は「来週の会議で使う表現」のように、目の前の業務に直結させたほうが定着します。現地で直面している課題をレッスンに持ち込める設計にしてください。

帰任後にどう活かすか

帰任者の語学力は、そのまま放置すると数年で落ちます。せっかく育てた人材の資産価値が下がるということです。

帰任後は、次のような形で活かす設計を検討してください。

  • 海外案件の担当として継続的に語学を使う場を作る
  • 次の赴任予定者へのメンター役を担ってもらう
  • 社内の語学研修で、実体験を共有する場を持つ

帰任者を「使い終わった人」にせず、次の赴任者を育てる循環に組み込めるかどうかが、グローバル人材育成が続く会社と続かない会社の差になります。

掲載できる赴任研修の事例が現時点で揃っていないため、この章は作らない判断です。

中身の薄い章を置くと記事全体の評価を下げるので、無理に埋めないでください。

代わりに、記事末のCTA付近からお客様の声へ導線を張ります。

事例が揃った段階で、「研修の成果をどう測るか」の直後に章として追加するのが自然な位置です。

その際は以下が揃っていると読者の判断材料になります。

よくある質問

Q. 海外赴任の何か月前から語学研修を始めるべきですか?

内示が出た時点で開始するのが理想です。語学力は短期間では動きにくく、特に現在のレベルが高くない方ほど立ち上がりに時間がかかります。準備期間が3か月を切る場合は、目標を「業務が回るレベル」ではなく「現地で学び続けられる土台を作る」に置き直すことをおすすめします。

Q. 英語圏以外への赴任でも、英語研修は必要ですか?

必要です。現地法人のマネジメント層とのやりとりは英語で行われることが多いためです。そのうえで、現場スタッフとの関係構築のために現地語を簡単なレベルで学ぶ設計をおすすめしています。

Q. 短期間でどこまで伸びますか?

現在のレベルと目標レベルの差によります。共通して言えるのは、時間数を増やすより開始時期を早めるほうが効果が大きいということです。同じ総時間でも、期間を長く取って分散させたほうが定着します。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

総時間数・受講人数・実施形態によって変わるため、一律の料金は設けていません。ご予算をお伝えいただければ、その範囲で最大の成果が出る設計をご提案します。

Q. 赴任後も継続して受講できますか?

はい。赴任後はオンラインに切り替えて継続できます。赴任先からの受講が可能で、時差に合わせた時間設定にも対応しています。赴任前から赴任後まで同じ設計思想で継続できることが、成果を出すうえで重要だと考えています。